04638-170107 スキーはワルツ
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気づいてみればスキーを始めて36年。年間滑走日数は少ない。学生時代はよくスキーに行ったし、トレイニングも受けた。YMCAのキャンプで小学生に教えた。けれども、近年は年に1度、日帰りとか、長くても4日程度。 なにごとも上達するには複数日にわたり連続的に集中して訓練が必要。今回は尾瀬戸倉、岩鞍スキー場に5日間滞在する。滑りをブラッシュアップする好機。 加えて3日目と4日目には、日本プロスキー教師協会(SIA, Professional Ski Instructors Association of Japan)のプロコーチにほぼマンツーマンでみっちり教わりました。特に4日目の午後にはもう一人別のコーチもご一緒。彼は、中学以来の友人(YMCAのキャンプ「野尻学荘」の先輩)で、スノースポーツのマルチインストラクタ。アルペンスキー、スノーボード、そしてテレマークスキーの3種目すべてで最高位(ステージ I〜IV まであるうちのステージ IV)の指導資格を保持しています。3種目ともステージIVを持っているのは日本で5人らしい。ちなみに昼間みっちり教わったコーチはアルペンスキーがステージIV、スノーボードがステージII、テレマークは資格を取っていないが技術的にはステージIIレベルとのこと。 2人ともスキー場から宿に帰ったあとも夜中まで付き合ってくださり、理論と実践両面を教わることができました。滑りながらの指導と夜中の座学で、スキーの極意を伝えていただいたように感じます。2人から別々に話を聞いても、2人のおっしゃることが一貫しているので、なおさら信頼感が高まる。 https://flic.kr/p/SQMkp7 https://farm3.staticflickr.com/2909/33369875504_6b7878b085_k.jpg
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3日目(コーチに教わり始めた初日)、リフトやゴンドラの中で教わったことを頭で咀嚼しながら、ゲレンデで身体に伝えて実践。従来の理解とは発想の転換を要する新しい考え方ですが、非常にわかりやすい。理にかなっていて、コロンブスの卵的。
人工降雪機の硬い雪とか、凍った斜面が所々で露出しているなど、雪が少なくコンディションが悪い中、今までならバランスを崩していたであろう雪面の変化に遭遇しても、高度に安定して滑れる。感動。すごい。
そして何より楽に滑れるメリットが大きい。板がスルッと滑り、ツルッと回る感じ。好天に恵まれて気温が上昇した4日目と5日目にも汗をかかない。滑るスピードが高速でも低速でも安定しているから、無駄な力が抜けて、楽。
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これぞ極意だ、と確信。shioの理解をshio的に表現すると「スキーはワルツ」。三拍子です。
1. 斜面を斜めに滑降している状態からまず最初に、体重を左右均等に前に移動。すると、板が雪面に対してフラットになり、ターンの切り替えのきっかけになります。
2. ターン弧のピークに向けて外脚を進行方向に踏む。斜面に対する横方向の移動を止める。すると板がたわみます。
3. そのたわみに沿って、外脚を股関節から前方に送り出しつつ、今度は斜面の谷方向に踏みます。
この繰り返しです。1. 2. 3. 1. 2. 3. 1……。前、踏、踏、前、踏、踏、前……。
キーポイントは2.。ターン弧のピークで遠心力を外脚で受け止めしっかり雪面を捉えてしまえば、確実に重心が板に乗るので、ターン後半の安定となめらかな滑りにつながります。
なお、ストックは1.の半拍後に雪面に置きます。三拍子のイチニーサンイチニーサンの「チ」でストック。あるいはタタタンタンタタタンタンというリズムの2つ目の「タ」がストック。
以前は、ターン全体にわたって常に外向きにじんわり踏み続ける意識でした。しかしそんな必要はない。ターンの頂点をどこに置くかだけ見据え、その手前で前に体重移動し、弧の頂点だけグッと踏み、遠心力を板のたわみに変換して、ターン後半につなげればいい。重心をキープしたまま、板の湾曲で自然とカーブを描く。それを谷方向に踏んで前に走らせる。
そう理解して滑り始めたら、ワルツを踊るかのよう。リズミカルで安定したスムーズな滑り。自分が上手くなったように感じます。錯覚かもしれませんが、安定感、楽さ、正確さ、スピード、安心感、どれを取っても進化を実感。素晴らしい。
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やはり長年教え方を考え続けて実践してきた人から教わることには、絶大な価値がある。敬意を覚えました。2日間教えてくださったコーチ曰く「スキー技術論が一周回って、昔の滑りが最良だと考えている。でも用具の進化に伴って、運動要領は全くの別物」。
なるほど。だから発想の転換が必要なのですね。その発想の転換にある本質的なコンセプトは、shioの民法の教え方に共通する。スキー技術論において静と動の捉え方を転換した点が、shioの民法の教え方における静と動の転換と同じ。それが面白くて連夜、話し込んだ次第。
考えながら教え続けると本質が見えてくる。本質が見えてる人から教わるとわかりやすい。
やはり、物事の本質を捉える近道は、
1. 本質が見えている人から教わる
2. 教わったことを自分で検証しながら実践を続ける
3. 人に教え続ける
の3要素にあるとの思いを新たにしました。
本質を捉えた人の話はシンプルで深い。本質を見いだすのは面白い。人に教えていると本質が見えてくるから楽しい。実り多き5日間でした。教えてくださったお二人に感謝。どうもありがとうございました。 https://flic.kr/p/STyKeP https://farm3.staticflickr.com/2914/33401368733_69f67f8851_k.jpg
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